「仏教行事紹介」施餓鬼会(せがきえ)とは

お盆の時期に多くのお寺では、施餓鬼会(せがきえ)と呼ばれる法要を営みます。

施餓鬼会は、餓鬼道に堕ちて苦しんでいる霊、亡者を救うために、仏様の力を通じて食べ物を施して供養する法要ですが、無縁仏(むえんぼとけ)を供養する法要でもあります。あらゆる餓鬼や無縁仏に施しをすることで、その功徳が施主やその先祖にまで及び、それがそのままご先祖さまへの追善供養や施主や施主家族の福寿増長、現世利益になるというのが施餓鬼の意味です。

施しの心の大切さ、貪りを減らす心を教えてくれるとともに、先祖を供養することの大切さを学ぶことのできる行事です。施餓鬼は阿難尊者がお釈迦様の教えに従い餓鬼供養をしたとのエピソードが載る焔口経を由来とし元々は時季を定めず行う行事でした。施餓鬼作法を毎日(毎夜)修法することは僧侶、お坊さんの本分でもありますが、行事としてはお盆の時期に行うお寺が多く、盂蘭盆経に餓鬼道に堕ちた亡き母を目連尊者がお釈迦様の教えに従い救う話が登場することもあり、今ではお盆の行事と表裏一体の関係となりました。