(プチ法話)「星を観る」~幸運の作り方~
- 2025/11/21
- 法話
皆さんは「星」と聞くと何を思い浮かべられるでしょうか?
空に浮かぶ天体、月や太陽、冬の時期は空気が澄んでよく見える星座、私たちが住まわせていただいている地球などを思い浮かべる方もあるでしょう。
昔、金剛寺でも総代様にご協力いただき天体観測会をして檀信徒の皆様と星空を望遠鏡越しに眺めた思い出もあります。
また、「巨人の星」というアニメが聞き馴染みある方もおられるでしょう。アニメや漫画に限らず、現実社会でも様々な分野でスターと言われて大活躍する方々もおられます。そして「星回り(星廻り)」という言葉もあります。月や地球、北斗七星や12星座など天体の動きからその人の吉凶を予想するというものです。
さて、少し前置きが長くなりましたが、今回は「星回り」「星」の見方についてお話いたします。
本来は陰陽思想、五行思想、九星、宿曜や暦と多岐にわたる内容ですので、今回は専門的なことを控えてお話しできればと思います。
先ず一番大切なのは、自分自身がどう生きるか。もっと言えば、「どのような一年にしていくか」を考えて決めていくことです。それがあれば自ずと進むべき道、進みたい道が見えてくるかと思います。そして次に自分自身や周囲をよく観察して今の自分自身の環境や適性を知ろうとすることです。そうすることにより、より具体的に進むべき道が見えると思います。そして日々を過ごして進んでいきます。時々顧みることも大切です。
天体の動きが暦を作るように、皆様自身の日々の生活、心の運び、身体の運びが星回りを作り、俗にいう「運」というものを形成していきます。それこそが「星」を観て活用するということです。
「物の興廃は必ず人に由る 人の昇沈は定めて道にあり」
とお大師様(弘法大師空海様)も仰っておられます。
何事も栄えるか廃れるかは関わる人達次第です。人の浮き沈み、星回りの良し悪し、運の良し悪しは各人の歩く道、日常生活の積み重ねにあります。
「○○が悪い!!」「○○のせいだ!!」と何かのせいにしたいときもありますが、自らを省みてより善い道を歩んでいきたいところです。
ぜひ、皆様におかれましては本年もお大師様の教え(真言密教の教え)を引き続き大切にしていただきながら、ご自身を観察し、より善い星回りを形成し、より善く前向きに生きていただければ幸いです。皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
南無大師遍照金剛。合掌。
※この原稿は当山寺報「お地蔵山54号(令和6年元日発行)」副住職原稿より一部加筆修正して引用掲載