(プチ法話)「厄年の話と開運の秘訣、よりよい日々を送るために」
- 2019/01/02
- 法話
「厄年の話と開運の秘訣、よりよい日々を送るために」
今回は厄年と開運について少しお話させていただきたいと思います。
厄年といえば普通は数え年(生まれた日を一歳とし正月を迎えるたびに一つ年齢が加わる数え方)で男性が25歳、42歳、61歳。女性は19歳、33歳、61歳。中でも男性の42歳と女性の33歳は大厄と言われます。また上記以外にも大厄の前後にある前厄や後厄、13歳や37歳、49歳の歳厄もあります。
これらの根拠は九星や五行や宿曜などの天体や自然の動き、働きを数字や暦に当てはめた考え方が軸となり、そこに様々な生活風習等が加わり現在に伝わります。
一見、非科学的で迷信のように思われる方もありますが、厄年の本質は身体的にも精神的にも変調をきたす節目の時期を表します。干支、とくに十二支の周回するタイミングや子供が大人になる節目、若手が中堅に近づくころ、お兄さんやお姉さんがおじさん、おばさんと呼ばれだす頃とも重なってきます。
多くの方に馴染みのある般若心経というお経でも五蘊皆空と説かれるように仏教が説く真理として諸行無常(ものごとは絶えず変化し続けており固定的なものはない)というのが世界の本質です。
その世界に生きる我々も気付く気付かないを別にして絶えず変化して毎日を過ごしています。ですが、変化は時に我々を不安にさせたりします。また老いや病、好きな人との別れや嫌いな人との出会いなど自分にとって都合の悪い変化、なかなか受け入れがたい変化もあります。そうした変化のうち、中でも大きな変化が起きやすく心身が影響を受けやすいのが厄年と呼ばれる時期です。厄年のお祓いや厄除け祈願は神仏の加護を得て、ご本尊様やお大師様の前で前向きに過ごすことを誓い、自然や周囲の環境を味方につけ、自身の不安を取り除き生活を充実させます。そうすることにより大難が中難に、中難が小難に、小難が無難になります。また災い転じて福となる。福寿増長、幸せが増えます。災いや魔とよばれるものは外からやってくるようですが、いつの時代も結局は自分自身の内側にいて自らが招いていることが多い気がします。
厄除け、開運の秘訣は不安、不信、不満、不振などの「不」を取り除くこと。
福を取り込みたければ、自らの内側、心と上手く付き合うこと。そうすることにより周囲ともうまく付き合うことができ、問題の解決や改善も進むかと思います。
それができれば苦労はしない気もしますが、やろうとすれば意外と難しくはない気もします。
お大師様(弘法大師空海上人)も般若心経秘鍵の中で「それ仏法遥かにあらず、心中にして即ち近し」という言葉を残されています。どういう意味かといいますと、「仏様や仏様の教えというものは遥か遠くにあるものではなく、実は我々の心の中に備わっている」と説かれています。
仏様、仏法と聞くとハードルが上がる方もおられますが、幸せは自分の中に備わっている、悩みの答えは自分の中に備わっていると考えていただいても構いません。
またお釈迦さまも「自灯明、法灯明」(自らを拠り所とし、正しい教えを拠り所としなさい)と説かれています。この節目となる機会に改めてご自身の内側、自身の心と向き合っていただいてもいいかもしれません。そうすることにより一層、皆さまの福が増し、開運に繋がりより良い日々を過ごしていただけるかと思います。
また、ご自身やご家族、お身内が厄年にあたる方は有縁の神仏やお大師様とより縁を深め、「不」を取り除くためにも厄除け祈願をされてみてはいかがでしょうか?
本年も皆様にとってより良い一年となりますよう祈念いたします。
南無大師遍照金剛 合掌。